ブラックホールは一般的に太陽の30倍より重い超大質量の恒星が一生を終える際、星の核が自身の重力によって中心の1点に向かって際限なく押しつぶされる事で形成されると考えられています。
ブラックホールの中心にあり、ブラックホールの全質量がそこに集中していると考えられている体積0の1点は、特異点と呼ばれています。
そんな特異点の周りでは重力が極めて強く、そこから脱出するために必要な速度(脱出速度)が光速を超えています。
ですが特異点から離れるほど重力が弱まり、脱出速度が光速と等しくなる境界面が、事象の地平面と呼ばれています。
ブラックホールの事象の地平面の内部領域や、特異点で何が起こっているのかは本当に気になるところですが、残念ながら現在の枠組みでは、それらを知ることは永遠にできそうもありません。
なぜならこの宇宙で物質が出せる速度には光速という上限があるためです。
これは観測から得られた明確な事実であり、アインシュタインの相対性理論もこの光速度が不変であるという事実をもとに成り立つ理論となります。